睡眠時無呼吸症候群について
いびきはなぜおこるのか
普段私達は無意識に息を吸ったり吐いたりしています。鼻や口から吸った空気はのどを通りすぎて、気管・肺へと運ばれます。 この空気の通り道である鼻やのどが狭くなると、 狭いところを無理やり空気が通るため音がでます。
⇒ これがいびきとなってでてきます。
毎日の睡眠はその時々の身体の状態によって変わってきます。深酒したときや疲労が溜まっているときにはいびきをかきやすくなります。
どんないびきが問題になるの?
一般的に深酒したときや疲労が溜まっているときだけ出るいびきや、寝入りばなにでるいびきは問題になることは少ないです。このようないびきは 比較的音が静かです。
しかし常にいびきをかく、いびきといびきの間に呼吸がとまってしまう、最近になっていびきが大きくなり音もかわってきた、等の場合は要注意です。
睡眠時無呼吸症候群とは?
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome) ⇒ SAS と略されます。
寝ている最中に
・呼吸が止まる(無呼吸)
・空気の通りが弱くなる(低呼吸)
を何度も繰り返す病気の総称です。睡眠中に無呼吸・低呼吸を起こす。
→ 酸素の取り込みが悪くなり、体中で酸欠になる。
→ しっかり眠れない(寝ても身体が休めていない)
→ 体中に負担がかかる
SASがあると高血圧や糖尿病になりやすくなり、心筋梗塞や脳卒中にもなりやすくなります。
また熟眠できないため日中でも眠くなってしまい、交通事故や作業効率の低下を引き起こします。SASの症例では健常人の7倍交通事故が多くなると報告されています。SASを放っておくと、自分にも周りにも悪影響を与えてしまいます。
SASの種類
● 閉塞型(空気の通り道が塞がれてしまう) :95%はこれが原因
● 中枢型(脳から呼吸をしなさいという命令がちゃんと出ない)
● 混合型
SASの検査
● 簡易検査 (自宅で可能)
夜間睡眠時の酸素飽和度、気流、いびきを測定し、酸素飽和度の低下を伴った呼吸イベント(無呼吸・低呼吸)を見ることができる
● 終夜睡眠ポリグラフィー(専門施設に入院しないと検査できない)
脳波・呼吸状態・動脈血酸素飽和度・体位・心電図などをトータルに測定
睡眠の質を含め評価でき、軽症でも 診断可能
当院では簡易検査の機械を用いて自宅で検査が可能です。
SASの治療
● 生活習慣の改善
● 鼻マスク式持陽圧呼吸(nasal CPAP)
● 手術的治療
● 口腔内装置
SASに関しても治療の基本は生活習慣の改善が基本です。肥満は大敵。お酒やたばこは無呼吸を悪化させます。
nasal CPAP治療
SASに対して最も確実で有効な方法で、世界的にも標準的な治療です。鼻マスクを介して陽圧の空気を送りこみ、空気の通り道がつぶれないよう空気の力で添え木をしてあげる治療です。
CPAP治療により無呼吸・低呼吸・いびきが消失し、睡眠の質が改善します。CPAP治療により日中の活動性が高まり、結果として体重が減るひとも多くいます。高血圧の改善や合併症の予防にもつながります。重症のSAS患者に対してCPAP治療を行うことにより死亡率が低下することが示されています。
中等症・重症では保険診療でnasal CPAPが使用できます。
● 当院で行う簡易検査にて無呼吸低呼吸指数が40以上であれば、保険適応
● 終夜睡眠ポリグラフィーで無呼吸低呼吸指数が20以上であれば、保険適応
CPAP治療の副作用
鼻腔・口腔の乾燥(加湿器で対応)、機器の騒音、マスクを圧着させることによる皮膚障害などが起こりえますが、重篤な副作用はありません。
空気の通り道が塞がれないよう空気が押し込まれるため違和感で継続できない患者さんもいますが、つけることでよく眠れるようになるためCPAPがないとちゃんと眠れないという方の方が多いです。
保険診療でCPAPを使う際の費用
上記の適応を満たしていれば、健康保険でCPAP装置の貸し出しができます。3割負担で1月の費用が5000円弱程度です。(暦上毎月の受診が必要)
